第91回

第91回MURオープンゼミナール

  

■「グジャラート地震復興調査報告」 (渡辺)

質疑

区画整理のなかで完全に街区整備をしなおそうという発想はなかったか?

→徹底的にやろうとしたが、反発が多かった。

最低限の道路を引き、各戸にアクセスできるようにした。

■「生活の回復と安全性の確保を考えた復興について」 (北後)

被害をうけた人は生活の安全を重視するが、住宅の耐震化や街路の区画整理には時間がかかる

両立のポイント

安全志向は大事だが、早期の復興も大切

復興の過程における地域性の考慮

事前の復興策の検討

解決方法

住宅供給だけでなく、地域の活性化とコミュニティの再建も図る

安全の確保には時間がかかるため、段階的復興(中間的復興段階)を図る

■「スリランカ復興調査報告」 (青田)

まとめ

住宅が確保できることの意味は重要、まず住宅が確保できれば、生活再建に専念できる

丘陵部に大きな住宅地を造っても産業(特に漁業)と連関できなければ、かえって地域の空洞化を招く

質疑

緩衝地帯の設定によって移住させられる人もいるだろうが、日本のような土地への執着はスリランカにはないのか?

→「自分たちが住み慣れたところから離れるのは嫌」という土着意識は少ない。

土地へのこだわりは少ないようだ。

恒久住宅は緩衝地帯に造れないが、造らざるを得ない場合、緩衝地帯の内外で建物の構造的な違いはあるのか?

→地震がめったにない国なので、基本的に耐震化という考えはない。

津波に対しては、緩衝地帯に樹木を植えて対応しようとしている。

復興過程において住民の意向は反映されるか?

→基本は県や郡といった行政主導の政策がほとんど。

住民によるまちづくりは、まだすすんでいない。

NGOが政府に対し意見・提案し、住民の意向を伝えることが多い。